乙女ゲームマラソン Z

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23★悪でなければ悪魔にあらず【SWEET CLOWN 午前三時のオカシな道化師】

 SWEET CLOWN 午前三時のオカシな道化師

帰り道のことは忘れてしまいなさい。

SWEET CLOWN 午前三時のオカシな道化師/スイクラ

ジャンル  小説タイプ    現代×ダークファンタジー×悪魔 
時間 共通 3時間 個別 2~3時間 総プレイ 20時間ほど 

二週目以降、共通30分ほど

二種類のEDがあり、もう片方の回収に30分弱

両方のEDを見ることで真相ルートが開く

バッド含めてすべてのEDを見ると特典画像が見られる

この回収に+1時間弱くらいです。

攻略人数  5人  制限 有 (全キャラ2種ED後に開放)
ヒロイン

 橿野 柘榴(かしの ざくろ)名前変更可能

  罪悪感を抱えながら、取り繕って生きている難儀な17歳

特記事項 公式の推奨攻略順あり 公式HPTAKUYO

 

シリアスな世界観で行われる、ゆるいやりとり

バカみたいな感想が許されるのなら、「なんか不思議な話だったわ!」で終了させて頂きたいところですが、それなりに大人なので何が不思議だったのかを人に説明できないといけません。

おそらく、世界観のベースが現代なのに、その上にガッツリ童話的要素が乗っかることによって、その狭間のもわもわした部分で物語が展開するからかなぁと思います。

リアルでもファンタジーでもなく、線引が明確に行われているわけでもなく、かといってすべてを不思議なこととして片付けるのではなく各々理論を展開するので、その瞬間は現実が垣間見える。

くわえて暗くて深刻な雰囲気を醸し出しておきながら、ボケてないのにボケているようにしか見えないキャラたちのおかげで、一言で表すならばずっとシュールです。それってつまり、不思議ってことですよね(きちんと説明できました)

 

初回プレイで一直線に共通BADへ突っ込んだ私は、おとなしく推奨攻略順に則ってやり直してみましたが、ネタバレという意味では確かに推奨されている順番でやったほうが良いと思います。

ただフルコンプを目指していない方は、迷わず好きなキャラにゴーイングするべき。フルコンプする体力が残らないかもしれないので。

 

 

 

 

  • ゴシックホラーが好きだよ
  • 理屈っぽいの、逆にほわほわしたのも大丈夫だよ
  • 欝要素、バッドエンドにも耐性あるよ

という方には良いのでないかしらと思いますが、乙女ゲームビギナーにはあまりオススメできません。

 

 以下、物語の内容には触れていませんが、仕掛けや仕組みなどネタバレを含んだ感想を書いていますのでご注意ください。

 


ちなみにこんな感じでプレイしています。

zonna.hatenablog.com

 

★ストーリーについて

閉じた世界の物語なので、ストーリーがあるようでありません。

目的を示されるまでに時間を要するし、示されてからも明確な意志で行動するまでに更なる時間を要するし、半分を過ぎた頃にようやく物語が動くようになりますが、そこからラストまでにまた時間を要します。

どうしてこんなに時間を要するかというと、要するにストーリーがないからです。

設定とキャラだけで物語を紡いでいく技

ストーリーがないというのは、例えば日常を描いただけのような文章のことです。

起きました、ご飯を食べました、出かけました、帰ってきた、寝た、また起きた。それだけで面白くなるわけがありません。しかしスイクラの物語は基本的にこうです。非日常の世界に閉じ込められますが、すぐにそこが日常に変わります。

ではどうやって物語が進んでいくかというと、多過ぎるマイルールと奇抜なキャラクターたちの活躍によってです。ゆえに、どう転がっていくのか、着地点がどこになるのか、さっぱり見当がつきません。

細かいルールに頭がついていかず、持続的に受ける精神攻撃に感覚が麻痺し、摩擦を嫌うヒロインのおかげで疑問が片付かないままどんどん周囲に流されていくので、こちらは俯瞰で見ようがなく、いつの間にかユーザーも物語の中に閉じ込められることになります。

なので、ずうっと、ぼうっとしていました。

おバカなゲームは色々見てきましたが、ユーザーをおバカにさせる大変恐ろしいゲームなので、元からおバカな人は要注意です。ちなみに私は何度もログを確認しました。

 

 

★恋愛要素について

変な奴しかいないけどォ! 

サブキャラ含めて、見た目からしてマズイ奴、いろいろと見苦しい奴、ずっと気持ち悪い奴、この空気の中で堂々ボケちゃう奴、何こいつら、どうすんの、普通に接するのも大変なんですけどという状態から、よくもまあ恋愛できたね、というところまでいけるのが大変素晴らしいと思いました。

恋愛前の関係が悪ければ悪いほど、キャラの個性が強ければ強いほど、恋愛後の楽しみが増えるってものです。これは大変乙女ゲーム冥利に尽きます。他の媒体であれば絶対にメインヒーローにはなれないキャラ性が攻略対象にいるというのは、何よりもスーパーありがたいことです。

更にしっちゃかめっちゃかな世界観ですので、間違いなく他では味わえない恋愛が見られると保証できます。それが良いのか、そうでないのかは、また別問題ですけれども。

深愛エンドと歪愛エンドがあるのですが、とあるキャラの歪愛エンドがすごく綺麗で心に刻まれています。愛の形ってひとつじゃないんですよねとつくづく。

 

 

★特筆したいこと

乙女ゲームの真相ルートというものについては、必要ではあるけれど必須だとは考えていません。乙女ゲームで一番楽しいのは一周目であってほしいし、ひとりしかクリアされないことを前提に、どのキャラクターのルートも作り込まれていてほしいからです。

とはいえ、真相ルートというのは物語を綺麗に閉じるための役割を担っていますので、見られるのなら見たほうが良いとは思います。

そしてスイクラは、見て良かったなぁという真相ENDでした。

不幸はどこから始まったのか

不幸が下地にある物語の割に、どのルートもしっかりとハッピーエンドがあります。それは彼らの中に幸せになれる素質があったという証です。少しずつ何かが捻れて不幸を招いてしまったけれど、救いようのない出来事では決してない。

そう思えるやりとりが、真相ルートの中に散らばっています。個別ルートでは見えてこないキャラクターの側面が見られるというのはとても幸福なことですし、真相ルートというものはそうあってほしいという欲が満たされました。

そう、欲が、満たされ……。

 

 

★おわりに

『欲』と聞くと、何が思い浮かぶでしょうか。

あんまりきれいなものは浮かばないように思います。

イクラは欲がテーマの作品なので、作中は欲についての議論がいくつか交わされるのですが、理知的な話し合いのようでいて、実に魔的でした。

人間なんだから欲があって当たり前、しかもその欲を高めないといけない状況下において、モラルや羞恥心は邪魔でしかない。登場人物全員が、ヒロインの欲をこぞって肯定してくれます。

これは当事者たちにとっても危険な状態ですが、何より真っ先に脳内がピンク色になった私はもっと危険でした。さぞムフフな展開が繰り広げられるのだろうと考えてしまったからです。恋愛もので欲を扱う以上は、男女の間で起こる欲望について触れないわけがないだろう。当然です。こっちはそれをのこのこ見に来ているのです、などと第二段階の開き直りの症状も出ました。

完全に乙女ゲームの悪魔に取り憑かれて、精神年齢が中学生くらいになってしまったじゃないですか。大変危険です。そういうゲームではまったくございません。大真面目でシュールで頭がぼうっとするゲームですので、どうか皆様お気をつけてプレイされてください。

 

 

 

ちなみにムフフっていうかグフフがあったとか、なかったと

 

 

 

 

SWEET CLOWN 午前三時のオカシな道化師

SWEET CLOWN 午前三時のオカシな道化師

 

パッケージを開くと招待状が入っているのですがワシャそういうのに弱い。