乙女ゲームマラソン Z

vitaのオトメゲーをセイハするブログ

15★答えを出す者の勇気を讃える、たとえそれが【レンドフルール】

レンドフルール - PS Vita

誰かの苦しみだとしても。

レンドフルール

ジャンル

会話タイプ(地の文・中)

 ファンタジー×主従×騎士

時間 共通 約4.5時間 個別 約2時間 総プレイ 16+8時間ほど

二周目以降は共通ほとんどなし。

愛情ENDと忠誠ENDがあるので、もう片方のEDの回収に+5時間
その他スチル回収に+3時間かかりました。

私はスチルに関わるものしか集めていませんが、BADがたくさんあるので
EDをコンプしようと思ったらもう少しかかります。

通常の選択肢はなく、ラヴィールという会話バトル形式の結果で分岐します。

簡易ボタン操作あり。

攻略人数  5人 制限  有(全員クリア後、解放)
ヒロイン

ヴィオレット(デフォルトネーム 変更可)

世界のため、己の使命を忠実に果たそうとする姫。

特記 コンセプトが非常に特殊、シリアス強めです。

公式HP(オトメイト

 

主従は単なる上下関係に非ず

主従というのは、すごく不思議な関係です。
間違いなく上下関係ですが、上下関係のほとんどが主従関係ではありません。上下関係というのは新しい人が入ってくれば自動的に成り立つ一方向の関係であるのに対し、主従は双方の契約・或いは認識によって成り立つ相互的な関係です。
先にいた人のほうが後の人よりも経験の差などから優れているのは自然なので、上下関係が生まれるのはある意味当然です。しかし主従関係というのは、どこか不自然です。

さて、主従の代表格である姫と騎士というのは乙女的に決して失われることのないジャンルのひとつだと思いますが、乙女ゲームマラソンでは初登場でした。厳密にいうとナイトとしての騎士ではなく、便宜上騎士と呼ばれているだけなのですが、主従関係はモノホンです。

しかし恋愛における主従のジレンマというのがあって、あ、私が勝手に命名した現象のことなのですが、確かに主従は最も近しい関係になり得るけれど、恋人になってしまうとそれはもう主従と呼べないのではないか、という問題です。冒頭で述べた主従を不思議に思う気持ちの最たるものは、それが時として「恋人」や「家族」よりも大切な存在でありながら、その上下関係が決して覆らない(覆してはいけない)ところにあります。友達にすらなれない、ものすごく理性的な関係。だというのに、たしかに深い絆で、魂で結ばれているから切ないし、見る者を惹きつけるのだと思います。見る者っていうか、主に私を、ピンポイントで。

なので愛情EDと忠誠EDという分岐はとてもありがたく、今作におけるハッピーエンドはユーザーが決めるものだと感じております。何しろいろいろとアレですから。

 

  • 騎士と姫の主従が好きだよ
  • クール系のしっかりヒロインが好きだよ
  • いろいろとアレだけど、シリアスな話が好きだよ

 という方には良いのでないかしらと思います。

 

以下、物語の内容には触れていませんが、仕掛けや仕組みなどネタバレを含んだ感想を書いていますのでご注意ください。

明確なことは伏せていますが、今回は作品の雰囲気・方向性に関することを強めに書いていますので、より一層ご注意ください。

 


ちなみにこんな感じでプレイしています。

zonna.hatenablog.com

トーリーについて

考えさせられる問題提起の数々と、下される重い決断、身を削るような言葉にさらされすっかり心が疲弊してしまいました。乙女ゲームの中でも異色のやり口で、血を流さずとも人を追い込むことは可能なのだと思い知らされます。悪役に対して吐気がするというのは称賛でしょうが、この作品には明確な正義などなく、視点を変えればヒロインが最も悪役に適した立場にいることがユーザーの心を深く抉るんだろうと思います。

すべてを救える奇跡が都合よく起きるわけがない

この作品に触れている間、ずっとつき纏っていた感情がありました。怒りや嘆きや戸惑い、それらをやすやすと上回るとてつもなく巨大な無力感です。汚い言葉で言えばヒロインもヒーローもただの役立たず。世界を前に一個の生命など本当にちっぽけだと思わざるを得ません。

徹底して地上の人間を映さない天上の美しすぎる世界、モチーフは花と蝶、明らかに耽美なキャラクター達。これだけの乙女感を前面に打ち出しておきながら、その実は乙女が世界を救える乙女ゲームのみならず、ヒーロー作品全体へのアンチテーゼになっているではないですか。あまりの神視点、彼らの選択、その所業にお前ら何してくれてんだ……と唖然としました。乙女ゲームで人気のキャラクターの属性はドSというのを聞いたことがありますが、これはゲームそのものが鬼畜、超ドKです。

彼らの抱える課題と結末は見る者を惹きつけ、小さくない感情を呼び起こしてくれると思います。他の乙女ゲームでは見たことのない答えがたくさんありました。この世は正解のない問題で溢れているけれど、まずは答えを出す人がいなければ、それが正しいか間違っているかもわからない。議論も始まらない。このゲームでは答えを出さないことが一番の悪として描かれているように思います。耳が痛いよお!

 

恋愛要素について

恋の駆け引きというのはスポーツと一緒で、実力が均衡している時のほうが楽しいという一面があります。ただし男遊びが百戦錬磨のおビッチ系ヒロインなんてなかなかユーザーには受け入れられないので、簡単になびきはしないシッカリ者だけど恋はしたことがない、というような女の子がヒロイン軍の中でも強者かと思います。

あしらいと恥じらいのこれぞ感

もし私が男で、騎士に選ばれたとして、仕える主がヴィオレットちゃんだっだら間違いなく「やったー! やったよー!!」と言うと思います。何しろ超絶美人、立場に傲ることなく人の話をよく聞いて、聡明で努力家。本能で男の立て方を心得ている。間違いなく男心くすぐり科惚れてまうやろ族ヒロインです。私の中では、 超ド天然すなお科気がついたら目が離せない族ヒロインと双璧を為す大切なヒロイン像となっております。

この種族のヒロインは本当に恋愛上手で、基本的にはどんなタイプのキャラもあしらえるのだけど、恋には疎いところがあるのでハプニングも多く、使える手が多いのが魅力です。理知的でしっかりしている女の子がちょっと照れただけで、ドミノ倒しの如く男キャラが総崩れするのはズルいですが、私が先頭で真っ先に倒れているのでこれはもう仕方がありませんでした。 

 

特筆したいこと

この年になると強く思うことがあるんです。

スイーツビュッフェは女子と行きたい

女には女にしかわからない、女だけの感覚というのがきっとある。

レンドフルールは頭から爪先まで女性感がすごかった。
和とゴシックが融合する世界観、キャラ設定はもちろんのこと、絵画のような背景美術、ゴッテゴテの華美な調度品、何もかもが「女のもの!!」というキラキラフワフワウフフで出来ていました。オトメイト作品は基本的にキラキラしていると思いますが、群を抜いて「ハアアアアア美!!!」です。

GODIVAよりもmeijiな私がいうのもなんですが、だからこそ、時々は美を味わいたい。スイーツを美味いか不味いかで判断する前に、超カワイイ!とか言って写真を撮りまくりたい。ビュッフェなんだから食べなきゃ損とかいう思考はかなぐり捨てて、小さくてカワイイよ~!!美しすぎて食べるのもったいないよ~!!でも食べちゃう~!!とか言いたいんです。絶対言わないんですけど。 かわいいなあ、綺麗だなあ、という感覚を思い出させてくれる、呼び起こしてくれるのはとてもありがたいことでした。

 

おわりに

前半と後半で、テンションに差が出まくるゲームでした。冒頭の主従に関するくだり、ヒロイン像に関するくだり、どれも本当のことなのですが、もうそれどころじゃないというか。友達とワイワイ盛り上がっているところを、突然やってきた先生にガーッ!と叱られてシーン……、楽しかった気持ち消滅、みたいな。ひとことで言うと怒涛。もしくは「うわあい、騎士だ騎士だ、主従だあ」と浮かれる私への洗礼。

フルコンプした今ですら、「なんだったんだ……」という思いが心の奥底に潜んでいます。それでもオススメに入れているのは、ストーリーそのものに良いところがある以上に、批判を恐れず思い切ったことをやったな、という感動があるからです。

ただ、15本目の私には新鮮でエッジが効いていることは喜びですが、初めて乙女ゲームをやる人がパッケージを見て「わあ、綺麗!素敵!」と思って始めた時に同じことが言えるかというと、そこはかとなくヘラヘラ笑いながらフェードアウト……

 

 

 

レンドフルール - PS Vita

レンドフルール - PS Vita

 

ラッパ寿司プレイ前後ギャップグランプリ優勝者のレオン君