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乙女ゲームマラソン Z

vitaのオトメゲーをセイハするブログ

13★恋より先に、愛が育つとは【BROTHERS CONFLICT PRECIOUS BABY】

BROTHERS CONFLICT Precious Baby - PS Vita

家族ってふしぎだ。

BROTHERS CONFLICT PRECIOUS BABY/ブラコン

ジャンル

遊ぶ!(スケジュール+デート)

 現代×兄弟×大家族スペシャ

時間 共通 今回はカウントなし 個別 約2~3時間 総プレイ 約30+12時間

2本分のソフトが入っているので、かなりボリュームがあります。

PP(1本目ピンクのほう)合計18時間

BB(2本目ブルーのほう)合計12時間

予定を立てて一年過ごすタイプのゲームなので、共通と個別を分けずに一周の時間で算出しています。グッドエンド以外の要素が多く、スチルフルコンプするのに何周か必要でした。私は+12時間くらいでしたが、かなり個人差があると思います。

攻略人数 驚愕の13人 制限 有り(二周目で解放されるキャラがいます)
ヒロイン

朝日奈 絵麻 (デフォルトネーム 変更可)

親の再婚で、突然13人の兄弟ができたんだぞ

デフォ名でも音声なし
特記 2本分のPSPソフトの移植です。

公式HPオトメイト

 

ブラザーズコンフリクトとは

オタクをたしなんだ者ならば、一度は妄想をたくましくしたであろう夢のような設定を詰め込んだ、小説発進のメディアミックス作品です。親の再婚、兄弟と同居、その数13人。

印象としてはバカみたいなパフェです。子どもが思い描くような夢のパフェを、大人が大真面目にあの頃の夢を叶えるために作った。チョコもストロベリーもブルーベリーもキャラメルも全部入ってるごちゃ混ぜっぷり、けれど「絶対に美味しいものを作る」という大人の良識を感じます。

もちろん美味しくないと売れないので、多くの人に食べてもらえるものをつくるのは超絶基本なことではあるのですが、メインヒーローが妹萌えを公言しているオタク声優で、双子の弟を溺愛して恋人のような振る舞いをする時点で「あんまりマトモっぽくなあい!」と思われても致し方ない尖った作品なので、良識を讃えたくなる感想が生まれるのでした。

たとえば具体的にはどういうことかというと、この彼が、他のルートで見せるお兄ちゃんの顔がすごく良いのです。一番ぶっ飛んだ設定を持っているし問題発言も多いのですが、感情面での反応がとても良くて、ユーザーがイラッとしそうな場面では同じように怒ってくれるし、他の兄弟とトラブルになりそうな時もすぐに仲裁に入ってくれます。といっても、火に油系なので丸く収まるとかはないんですけど。

彼に限らず、家族の歴史があって、キャラそれぞれに思ってること、抱えていることや考えていることが(当たり前なんですけど)きちんとあって、関係性が変わったり育ったりしながら、しっかりと毎日を生きている。こう言っては失礼なんですが、「意外と地に足がついている」のです。フルコンした人ならば、大家族って良いかも……、なんて思ってしまうのではという気がします。

ただ、そういうことを知ってもらうために、二十周以上もさせちゃいます?ということは強めに言いたいなあと思います。ゲームのシステムがあまり親切でないので、操作性の良くない単純作業の繰り返しと、失敗した時のダメージで、後半は熱が出るかと思いました。まあ乙女ゲームやって熱を上げるのは間違ったことではないかもしれませんけど、誰が物理的に上がることを望んでいるというんだい。

 

  • キョーダイ、大家族が好きだよ
  • ワイワイ賑やかな感じが好きだよ
  • 作業に勤しむ覚悟があるよ……

という勝利のためには多くを犠牲にすることも厭わない戦乙女の方におすすめします。 

 

以下、物語の内容には触れていませんが、仕掛けや仕組みなどネタバレを含んだ感想を書いていますのでご注意ください。


ちなみにこんな感じでプレイしています。

zonna.hatenablog.com

 

トーリーについて 

なんとなくわかってはいましたけど、

兄妹の葛藤がないよお

むしろ知り合って即本当の兄妹のようになれるわけがありません。毎度のことですが、兄妹の葛藤×13を見せられるユーザーの身になって考えたら、いっそズバッとない方が潔いです。作中では兄弟をキョーダイと表記していますが、きょうだいの漢字のパターンありすぎでややこしいですし、血の繋がりを感じさせず、兄弟関係を深刻に捉えすぎず、結構良い表現だなと感心しました。それくらい、キョーダイ関係が軽めです。

でも家族にはなれるよ

周回を想定しているからか、描きたい部分ではないからか、絵麻ちゃんが家族に溶け込むのが異常なほど早いです。もちろんそのための努力をしている設定ですが、ユーザーには見えていないので、過程をすっ飛ばしてあっさり朝日奈家の一員になった印象です。

なので色々と軽そうだなあと懸念があったのですが、周回するごとに考えが変わってきました。1人2人を攻略しただけではわからなかったこと、つまり全体が把握できるようになって初めて、作品の最大の魅力である家族愛がひしひしと伝わってきます。ものっそい安易に「家族って良いよね!」なんて言葉が出そうなくらい、愉快な一家の一員になれるという喜びが散りばめてある。兄妹萌えというよりは、家族萌え。新たな形態でお送りしております。

 

恋愛要素について

このゲームは色とりどりのパフェなので、これでもかってほど甘やかしてくる人が多いです。全員もれなく絵麻ちゃんのことが大好きなので、無条件で愛されたい、荒んだ心を癒やしたいという時には超即効性があると思います。

妹だからって一緒に寝るのはおかしいけどまあいいか

作品のキモに「お泊まり」があるのですが、イベントとしてではなく、日常的に攻略キャラと一緒に寝ることができるのは乙女ゲームの中でもかなり特別で、思い切ったことするわと驚きました。最初はアレヤコレヤもっともらしい理由をつけて部屋に入れてもらっていたのに、後半は「一緒にいたいんですけどだめですか?」などと妹免罪符を直に悪用しだすヒロインに感心しつつ、彼らの寝顔を間近でガン見していると、妹ってなんだっけ?お兄ちゃんと同じベッドでいちゃいちゃ寝る人のことだっけ?と記憶と常識が判然としなくなりました。

でも体重を気にしながらパフェなんて食えないのです。あんなに乙女の食べ物なんですから、乙女が食べてあげなくちゃパフェがかわいそうじゃないですか。とかなんとか自分に言い訳をしながらやらなくちゃいけなくて大変でした。いろんな意味で大変なゲームでした。

 

特筆したいこと

とにかくテキストが豊富です。デート中の選択肢では好感度の上がらないものが興味深い結果になったり、好感度でセリフが変わったり、組んだスケジュールによって特定の会話が発生するので、やりこみ要素は非常に高いです。こういった違いをちまちま見ているとキョーダイの色んな顔に出会うわけですが、これは見なきゃ損だな、と思えるようなイベントが結構あって、長時間プレイの合間の癒やしでした。

キャラを深く知ることでゾーンに入る

攻略キャラの本ルートというのは漫画やアニメの主役回みたいなもので、キャラありきでシナリオが練られるので、輝いて当然の内容で勝負しなければなりません。しかしそれ以外のシナリオでは、サブキャラとして、ガヤとして、ひな壇芸人のごとくやいのやいの個性を出していかないとあっという間に霞んでしまいます。無口なキャラですら「……」という記号で参加し、どうにか存在感を出そうと必死になるものです。

その涙ぐましい努力を眺めていると、ある時ふと気がつくのです。「……あれ、私、なんだか楽しくなっているぞ」と。特に楽しいできごとが起こったわけではない。キャラ同士の他愛ないやり取りをなぜか微笑ましい気持ちで見ている。この現象はつまりあれです。キャラが箸を転がすだけで笑ってしまう、好意のゾーンに入って……る……。

恋愛ゲームというのは、始める前からある程度好みの傾向を持っているユーザーが殆どで、それに沿ってプレイするのが通常の流れかと思います。この時はまだお客さんです。お客は自分の満足いく商品を提供してもらいたいのです。ところが20時間を越えた辺りからは、もうお客ではなく勝手知ったる身内気分です。 作品に触れる時間が長ければ長いほど、テキストを読めば読むほど、体の中に取り込んだ作品との同期が進んでしまっている状態です。

今の私は朝日奈一家をひな壇に座らせて、司会者として番組を進行させる時に、誰に振れば良いのかわかります。いじって良い人もわかるし、逆にいじるとややこしくなる人も、アシスタントに選ぶ人も、席順にだって気を遣えます。

ここまでキャラを把握できる状態になってしまうと、もうそれは好きというよりも愛着です。ちょっとやそっとじゃ嫌うことのできない、それこそ家族のような感情を持ってしまうのです。しまうのです、などと全世界の人間がそうです、みたいな言い方をしていますが私だけのヤバイ性質だったらすみません。

シナリオで魅せるというよりも、人間の共感力や感応を狙ってジワジワ入り込んでくる作品のほうが厄介、という好例になりました。

 

おわりに

フルコンプしてガッツポーズが出たのは初めてです。何度も何度も妥協しかけました。

PP、BBともに、スチルをフルコンプするためにはすべてのイベントを回収する必要があるのですが、発生条件がわかりにくかったり、他のイベントが発生してしまったりで、とにかく見れない。無間地獄。

自力の攻略を公開してくれている方々を心から尊敬しました。パイセン乙女たちの苦労がひしひしと伝わってきて感動します。しかし複数のサイト様を参考にさせてもらっても見れないイベントが長々と鎮座し、これを回収するために何周したことか。「もう良いよ……、こればかりはコンプしなくても良いよ……」という考えが頭をもたげまくって、もはや念頭にあったほどです。なので見れた瞬間には、思わず拳を握りしめて「ッシャ!」決して乙女が出す音ではないのですが構わなかった。

達成感がすごすぎて、もう二度とやらないという極地にたどり着いた稀有な作品です。一生

 

 

BROTHERS CONFLICT Precious Baby - PS Vita
 

 ピンクの方が明るくて、ブルーの方はそれよりちょっとシリアス。