乙女ゲームマラソン Z

vitaのオトメゲーをセイハするブログ

10★正義とは、大切なものを守り抜こうとした結果【Collar×Malice】

Collar X Malice - PS Vita

現実に侵食してくる。

Collar×Malice/カラー×マリス/カラマリ

ジャンル

小説タイプ(軽アクション)

 現代×サスペンス×刑事

時間 共通 約1.5時間 個別 約5.5時間 総プレイ 30時間ほど

二周目以降はほとんど共通なし。最後のルートは6.5時間かかりました。

悲恋ENDやスチルを集めるのに+2時間ほど。

攻略人数  5人 制限 あり/二周目でひとり・全員クリアでひとり解放
ヒロイン

星野 市香 (デフォルトネーム 変更可)

警察官/21歳。事件に巻き込まれる。

特記 事件性が高く、シリアスの強い物語です。

公式HP(オトメイト

文章を読み進める以外の仕掛けが随所にありますが、テキスト量は最大だと思いますので小説タイプを選択しています。

 

何も説明したくない。

未プレイのユーザーにソフトをぎゅっと握らせて、「さ、もう行くんだ」とその背中を見送りたい。

何も調べずにプレイするのが一番幸福。

  • サスペンスが好き
  • どっしりとした真面目な話が見たい
  • 暴力・血の表現大丈夫です

という方には良いのでないかしらと思いますが、サスペンスが大丈夫なら一度は手を出しておいてほしいです。

 

以下、物語の内容には触れていませんが、仕掛けや仕組みなどネタバレを含んだ感想を書いていますのでご注意ください。

 

ちなみにこんな感じでプレイしています。

zonna.hatenablog.com

★ストーリーについて

乙女ゲームにまったく興味のない友人と話をしている時に、そういえば今こういうゲームをやってるんだ、と作品のあらましを説明しました。すると「えっ? それって乙女ゲームに関係なく面白そうなのに」と、もったいないみたいな意味で仰る。そう、だから、乙女ゲームに関係なく面白そうな作品なのに恋愛できるってところがものっそい良いんですけど? まだわからないというの? 

紛うことなき超正統派の超サスペンス

正義という形のないもの、人によって意味を変えてしまうものをテーマに掲げ、真っ正面から真剣勝負を挑んでいます。作品の背負う気迫が違う。乙女ゲームと違う。恋愛ゲームの部分を引っこ抜いたところで、根幹がぶっといので少しも揺るぎません。どっちかというと乙女ゲームの定義が揺るぎます。まさか乙女が凄惨な事件現場を捜査する日が来るとは。

叩きつけられるように展開する数々の事件には関心を引く要素が強く、ユーザーに推理を委ねる機会もあって、物語の中に勢い良く吸い込まれます。周回することで慣れはしますが、この作品がスポットを当てているのは起きた事件それのみでなく、悲しみが生み出された背景、そこに写る人々と激しい怒りです。過激な感情と結びついたストーリーは否が応でもこちらの心を揺さぶって、何度も何度も問いかけてきます。正義とは何か。

ヒロインである市香ちゃんの出す答えが正解とは限りません。人によって大切なものは違うから。けれど物語を通して彼女が感じたことを知り、自身の正義を貫くことにより、ユーザーは己の心の声に気がつくことができるのではないかと思います。

作品の枠を越え、見る者に何かを考えさせることができた時、良作は生まれるのだと確信しました。

 

★恋愛要素について

シリアスで大きめの物語を扱うとなると、恋愛部分が薄くなっても仕方ないと無意識のうちに思ってしまいがちでしたが、そんなことはありませんでした。

リアリティを「演出」するテクニック

仲が深まるまでの過程にヒロインの努力を感じることや、攻略キャラが見せないようにしているものが隠しきれずにチラリズムする性根がユーザーの心をくすぐりまくるに違いない。また、「ヒロインには見えていないけれどユーザーには見えてしまう」シーンの描写が非常に優れていたと思います。この場合、ユーザーが知っていてもヒロインは知らないため悪い意味でもどかしくなったり二度手間になったりすることもあるのですが、とあるルートで逆手に取ってバーンと盛り上げてくれた時は「超ハッピー!」と頭のクラッカーが弾けまくって大変でした。これは個人的にすごく好きなシチュエーションだったので、誰もに当てはまるわけではないと思いますが。

ついでに言うと、登場人物のデザインは抑えつつも比較的乙女ゲームらしいですが、名前がかなり現実ベースで、これが妙に心地良く感じます。日常的な行動面でもリアリティがありました。たとえば乙女ゲームではかなり特別なことである飲み会も当たり前のように行われるわけで、いやまあそうだよなあ、大人だし社会人なんだから、酒飲んで居酒屋メニュー食べて、いろいろくっちゃべることもあるよなあこのメンツで嘘だろ?とめっちゃビックリしました。恋愛面でも妙に現実的なやり取りが行われる時があって、逆にすごく新鮮です。

個別ルートで5.5時間というのはすごく長いですが、事件も恋愛も丁寧に扱った結果だと思います。

 

★特筆したいこと

私はひたむきに事件を解決したいと願っているのに、管理官が邪魔をするんです。峰岸管理官に限らず、森丘さんや冴木君など警察組織に不要な面の良さが私の集中力を削いでいく。会議中もずっと顔を見ている始末ですし、たまたま会えると嬉しい。コーヒーなどもらえるとスーパー嬉しい。何歳かなあ。役職が高いから結婚しているのだろうなあ、などと学生の如く気が散りまくり。サブキャラが魅力的なことは良いことです、なぜならFDが楽しみになるから(不純)

それはさておき、このゲームはヒロインが警察官ということもあって、周りが大人だらけなのが特徴です。攻略キャラは全員20代、半数以上が20代後半と三十路にはありがたいありがたい設定(それでも年下なことには目を潰しまくっています)

家族の存在と大人の責任

対照的に市香ちゃんの弟の香月が高校生なのですが、乙女ゲームにおいてこの年齢を「子ども扱い」できるのは珍しいことですし、現実味のある家族としての距離感がすごく好ましかったです。彼がもし(弟ではなく)攻略キャラとして存在していたら、それはそれで成り立つキャラ性だと思うんです。でも大人の中に混じるとすごく幼い。態度や声や行動のひとつひとつがしっかり子どもっぽい、まだまだ守られるべき存在だとわかります。そしてそういう人たちを守っていくのが大人の役割なんだ、そう気付かせてもらえるところに作品の凄みを感じました。

事件と攻略キャラさえいれば乙女ゲームとしては成り立ちますし、家族が不在の物語は山ほどあります。それでも家族を描いたということは、徹底して現実感を出そうということ、そして彼女の正義とは自分ひとりの信念からくるものではない、ということの証なのだと思います。

 

 

★おわりに

カラーマリスは、ゲームをやっていない時に、ゲームのことを思い出す作品でした。食器を洗っている時や、バスに揺られるふとした瞬間、考察したくなったり犯罪や正義について自分の考えを広げてみたり。 

どれだけ理不尽な状況だとしても、何かしらの答えを出さなければいけない時がある。誰だって間違えたくはないけれど、正しいかそうでないかはずっと後にならないとわからない。だから今できることをする、選ぶ、どんな結果であろうとその責任をとるしかない。苦しいなあ、って思います。その苦しみを背負って生きるしかないんだよなあ、とも。

物語の中だけで終わるのでなく、こちらにテーマを投げかけて、思考の余地とイケメン管理官を与えてくる。最高のエンタメと言わずにおれません。

FDが出るのを心待ちにしています。

厳密に言うと待っているのは峰岸管理

 

 

 

Collar X Malice - PS Vita

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Collar×Malice 公式ビジュアルファンブック (B’s LOG COLLECTION)

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 衝動に耐えきれず購入してしまったし、やがてこちらも買うだろう……。

Collar×Malice Art Works

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