乙女ゲームマラソン Z

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9★EDまでわんわんと駆け抜ける【ヴァルプルガの詩】

ヴァルプルガの詩 - PS Vita

OPとEDが手放せない。

 

ヴァルプルガの詩

ジャンル

会話タイプ(地の文少なめ)

 現代伝奇ファンタジー×人外

時間共通 約4.5時間 個別 約1.5時間 総プレイ 11時間ほど

「次の選択肢までスキップ」できるので、二周目以降の共通は約30分。

本編は短いですが、スチルをフルコンプしようとすると+2.5時間ほどかかりました。

攻略人数 4人 制限 なし
ヒロイン

泉 詩生(デフォルトネーム 変更可)

犬が苦手で料理が得意な高校二年生。

特記 吸血/お色気描写あり 公式HP(プロトタイプ)

 

日常と非日常を強烈に分断する

序盤から衝撃的な描写がテンポよく開示されていくので、この雰囲気に「大丈夫」な人と「無理かも」と感じる人を早い段階でふるいにかけることができるのはとても良いと思います。

私は何度か「あれ、これ18禁の移植じゃないよね?」と心配になりました。

というのも今からすごく失礼なことを言いますけど、こちらのゲームのお面々はパッと見モブ顔なんですね。乙女ゲームに出てくるキャラというのは良くも悪くもアクが強く、現実には絶対いないというデザインやキレイ過ぎるお顔立ちがデフォルトだと思います。そういった華やかさはなく、逆に言うと日常系の作品ですごく映える絵柄だと思うのです。アニメでいうとめっちゃ動きそうな絵というか。

立ち絵をそういう目で見ていたものですから、スチルに切り替わった瞬間に本当に絶句しました。このゲームの肝はスチルです。動きます。スチルが動くんです。

でも今言いたいのはそこではありません。スチルの「色気がパない」ということを述べたいのです。特別にいやらしいことをしているわけではないのですが、妙に居心地が悪くなる原因は密着感の高さと手と舌。

 

  • 艶っぽい展開大丈夫です!
  • 動くスチルに興味があります!
  • わんわんとわんわんしたいです!

という方には良いのでないかしらと思います。

 

以下、物語の内容には触れていませんが、仕掛けや仕組みなどネタバレを含んだ感想を書いていますのでご注意ください。

 

ちなみにこんな感じでプレイしています。

zonna.hatenablog.com

 

 

★ストーリーについて

終わってしまえばすごくシンプルなつくりのストーリーだとわかるのに、プレイ中は先が気になり、ぐいぐい読ませてくれる物語でした。そもそもの題材、日常から非日常への引きずり込まれ方や物語の解決法など、それ自体はよくあるものだと思います。

またヒロインが自ら行動できるような状況になく、”待ち”の姿勢が基本のため、一見推進力が低くなりそうなものですが、全然なりません。謎や不思議を多く配置し、隠し事を散りばめ、先を読ませる前にあれよあれよと小さなイベントがテンポよく挟まれる。語り方、見せ方、情報開示のタイミングが良いのだと思います。

テンポ良く交わされる、密な会話

かなり会話にこだわっているような感覚があります。

例えばひとりが「お邪魔します」と言った時、もうひとりにセリフは不要だと思いますが「失礼します」と言ったりする。時にはそのまま同じセリフを言うこともあります。ふたりならまだしも、5人くらい同じことを言った時もありました。さすがにカットして良いんじゃないかと思いましたが、リアリティというか日常の演出というか、キャラの存在感と親しみを感じる一助となります。

ここまでの極端な例でなくとも、会話を大切にすることで小さな萌えがたくさん生まれ、自然と好感がもてるようになっていく。更にはユーザーが物語に入り込みやすくなる。そうした積み重ねもあって、最後まで飽きさせないストーリーを作り上げているのではないかなと思います。

 

ただし若干フワッとする部分があります。演出を優先した結果の気もしますが、そこフワッとするんかいというところがフワッとしたのでフワッとした気持ちのまま感想を書かざるをえないこの文章もフワッフワですわ。

 

★恋愛要素について

常につきまとう不穏な空気を表すかのような曇天は心を薄暗くし、暗闇の中で美しく輝く禍は人ならざるものへの畏怖と感傷を、極めつけはこの落ち込んだ世界観の中でわんわんにわんわんされる謎の幸福感。プレイ中は得られる感情のバリエーションが多かったように思います。感情が動くとそれだけ恋心にも影響します。

色気に頼ったストーリーではない

トーリーの関係上、「必要とされる」ことが多いです。端的に言うとモテるので自然と甘い展開になりますが、命を懸けさせられるのでおいそれと差し出すわけにはいきません。しかしその辺りの駆け引きが恋愛描写にプラスに働いていてとても良かった。

後半になるにつれ、彼らの考えていることへの理解が深まります。特にED後に明かされるヒロイン周りのサブストーリーを読むと「そそそんな」となりますが、本編だけでも充分に気持ちの伝わる表現が多いと思います。キャラによって差はありますが、話を進めていくほどに、彼らの純粋な部分が浮き彫りになっていく流れは見事でした。

 

 

★特筆したいこと

動くスチル、からのエンディング

動くスチルとはスチルが動くという意味です(わかりません)

第一にスチル自体が動きます。立ち絵を3DやLive2Dで動かす作品はありますが、スチルを動かすという発想はなかったのですごく驚きました。そもそもスチルって動きのない写真のことなので、逆転の発想ですね。

OPの1シーンでスチルを動かす作品はありますが、やはり基本的にスチルとは一枚絵です。ヴァルプルガではすべてのスチルが動くわけではありませんが、動いたほうが雰囲気が何倍も良くなることを知りました。例えばスチルを映している時間が長いシーンなどは、呼吸しているように体がただ上下するだけでも印象が全然違います。

第二に、スチルを何枚も連続で映し出すシーンがあり、まるでアニメのように感じる時間がありました。厳密に言うと一枚絵をパッパッパ、と切り替えて出すというのはセリフのない時の漫画のテクニックに近いと思います。説得力のある感動的なスチルはいろいろ見てきましたが、スチルだけで物語ろうとする乙女ゲームって見たことないです。

ここにとんでもなく気持ちの良い音楽が加わってEDに突入した時には「ふおー!」となりました。モブ顔って言ってすみません、かっこいいです、本当に素敵なスチルが多いです。イメージイラストがOPにふんだんに使われていますが、どれもすごく素敵だなあとゲームが終わった今、強く思います。

 

★おわりに

ところで志賀くんがいい具合にキモい不気味なのです。パッケージの彼です。

こういった物語って、相手が格好良かったりタイプだと読者側はある程度ひどい目に遭っても受け入れてしまいがちだと思うのですが、そういった意味では志賀くんすごくキモいよおなんて不気味なのかしらと拒絶感のあった私は順調に彼を遠ざけ、後回しにしていました。

もちろんメインヒーローがキモいと思われたまま終了するはずがないので、安心してしんがりを託したに過ぎません。この感情が、どう転じるのか楽しみでしかたないわけです。

そもそもパッケージにいる人間をキモいと思わされると思っていなかったし、ここまで言っといてなんですけど制作側もユーザーにこんなにキモいと思われてるなんて思ってもないかもしれないですけど、とにかく私の経験上、第一印象でキモいと思った攻略キャラはすごく好きになるかずっとキモいかのどちら

 

 

 

ヴァルプルガの詩 - PS Vita

ヴァルプルガの詩 - PS Vita

 

 フルコンプした後、心がパアーッとなる。そういうゲームが本当に大好き。