乙女ゲームマラソン Z

vitaのオトメゲーをセイハするブログ

6★喧嘩して番長目指す系女子を乙女って呼ぶ新時代の幕開けに立ち会う【喧嘩番長乙女】

喧嘩番長 乙女 (特典なし) - PS Vita

怖い人達に絡まれた時の恐怖感が皆無のゲーム

喧嘩番長乙女

ジャンル

ボタン入力+選択肢

 現代×学園×入れ替わり番長生活

時間 共通 約3.5時間 個別 約2.5時間  総プレイ 17+4時間程

二周目以降は共通30分ほど、上手にやればもっと短縮できます。

恋愛ENDと友情ENDがあるので、

分岐でセーブしておけばひとり1~1.5時間くらいで回収できると思います。

攻略人数 5人 制限

あり(4人のEND後に1人解放)

ヒロイン

中山 ひなこ (デフォルトネーム 変更可)

双子の兄ひかると入れ替わってヤンキー男子校へ入学することになる格闘技の使い手。

ひかる以外からは、「ひかる」と呼ばれることになります。

特記 メンチは挨拶、喧嘩はコミュニケーション。 公式HP(スパイクチュンソフト

 

喧嘩番長とは

バッリバリのゴッリゴリに不良が喧嘩しまくるゲームです。間違っても乙女が手を出すジャンルのゲームではないはずです。乙女はナンチャラ連合とかタイマンとか仁義なき覇権争いとか超どうでも良いよ、どうしちゃったんだよ、と我が目を疑いましたが、喧嘩番長乙女という字面が既におもしろい。興味が止まりません。

とはいえ本家はアクションゲームですが、乙女は乙女らしくシンプルなボタン入力の喧嘩バトルに落ち着いています。遊びの要素はありつつも、基本的に物語を読み進めていくスタイルは他作品と変わりません。選択肢によって漢度と乙女度のどちらかが上がり、友情ENDと恋愛ENDに分岐していく点が特徴的。

乙女向けに作られているのでシステムを簡素化し、クリアできない場合に救済措置があるとはいえ、シナリオはぬるくありません。

のっけからバカバカしいほど無茶で強引な設定をテンポよく説明したかと思いきや、いつの間にやら本気と書いてマジ、今の時代ならガチ、ヤンキーベースの世界観は盤石で、しっかりがっつり喧嘩する日々にすっかり居心地の良さを感じます。

暴力や不良を肯定するわけではないけれど、拳で語り合うことなどないこの時代だからこそ、逆に乙女界で流行るんじゃないかと思えるほどヤンキーの魅力を最大限に引き出している作品でした。

 

  • 硬派なシナリオを見たい
  • 男同士の友情が好きだ
  • そういえば番長になってみたかった

という方には良いのじゃないかしらと思います。

 

以下、物語の内容には触れていませんが、仕掛けや仕組みなどネタバレを含んだ感想を書いていますのでご注意ください。

 

ちなみにこんな感じでプレイしています。

zonna.hatenablog.com

 ★ストーリーについて

攻略キャラのひとりとして「ヤンキー」と関わったことはあれど、右を見ても左を見ても出会う者すべてがヤンキーであるどころが、その筆頭として生活するなど殆どの乙女が初体験だと思います。

ヤンキーだからこそ扱うことのできる題材

これまでに見たことのないストーリーラインです。口喧嘩すらしない乙女ゲームが存在する一方で、拳で徹底的に喧嘩する。喧嘩という言葉で片付けられないほど、負けられない、引けない戦いがある。それを喧嘩と言い切る熱くて粋な魂と、そこから生じるギャップ萌えがこの作品を唯一無二の存在に仕立て上げています。

観光地というのは「ここに来ないと見られない・体験できない何か」が必須ですが、私が乙女ゲーム観光の人間だったらここをメインにツアーを組みます。喧嘩番長でしかできないストーリーと、この世界観でしか生まれなかったキャラがいて、間違いなく特別な時間を過ごすことができると断言できるからですが、ただ、それが好みかどうかまではまったく責任もてませんと注釈せずにおれません。そもそも不良が嫌いだったらだいぶ無理です。みんな、思ったよりマジで不良なので。

 

★恋愛要素について

「男子と偽って男子校で生活する」

この条件のおかげで、通常の乙女ゲームよりも攻略キャラたちとの『友情』に遥かに磨きがかかり、強い信頼感を得ていくことができます。それと同時に大切な友達を騙しているという罪悪感が与えられ、葛藤が生まれます。これがベースとしてある以上、些細なことでもドキドキハラハラするのでどのイベントも楽しくて仕方ありません。

男と女では決して見ることの叶わない部分

いくら同じものが好きでも、似ていても、近くても、やはり男と女は違う生き物なのです。どうしたって「守る」と「守られる」という関係性が出来上がってしまうような気がします。男女差別の話ではなく、意地の問題というか、男には男の守り方、女には女の守り方があるという話です。そうやって互いに支え合って生きていくのが人間の営みだと思います。

男女間では、肩を並べる、背中を預けるということが殆どできないはずです。いわゆる共に戦うという状況があまりありません。メスゴリラなら別かもしれませんが、だからといって男の世界で歓迎されるということでもないと思います。まずはその輪の中に入れるというのがすごく特別なことなわけです。そこで友情を育んで、ひとりの人と人して向き合い、大切な存在になっていく過程がマブい。

乙女ゲームをやりにきているわけですから、通常であれば恋愛ENDを見ることが主目的となるはずですが、それは同時に物語の終わりを意味します。とあるキャラが零した「ダチといるのってこんな楽しかったっけ」という世界が終わり、新たな世界の物語が始まる卒業式のようなちょっとした切なさ。もう少しこの世界を見ていたいなあ、という気持ちが高まった時、友情ENDの存在がとてもありがたかったです。

さて、恋愛要素について書く項目で友情を取り上げまくる時点で、如何に異色の作品か伝わることでしょう。

 

★特筆したいこと

なんといってもキャラクターです。命の吹き込まれ方が尋常ではない。

モブキャラにまで愛着が湧いてしまうキャラ設計

サブキャラはもちろんのこと、作中では名前のない彼らの、イキイキした仕事っぷりには眼を見張るものがあります。

中でも私が一番驚いたのは、すべての元凶である兄・ひかるの存在です。

ここまで元気な当て馬(注・男)って存在するのでしょうか。どうしようもなくウザったいのに、可愛くて、まるで友達のようで、でもしっかりお兄ちゃんで、嫌われてもおかしくない立ち位置とキャラ設定ですが、絶妙なバランス感覚ですごく繊細なつくりこみがされていると感じる稀有な例でした。

対して、ヒロインであるひなこちゃんにも何度も胸を熱くさせられました。戦えるヒロインというのは他にもいますが、攻略キャラ達を食うことも食われることもなく、対等に並ぶ堂々たる姿を誇りにすら感じます。どんな立場でそんなことを思ったのかは謎ですが、HPのトップ画像のクールな面構えにキャラ紹介のしゅっとした立ち姿、女の子の格好をすると女装に見えるという不思議な現象に苛まれた結果、どうやら私の脳は彼女を一人前の男、いや漢だとみなしているのかもしれません。

そんなふたりを見守る役割の坂口は言わずもがな、肝心の攻略キャラについては一言だけ全員シブい。

 

★おわりに

音楽は格好良く、立ち絵もスチルもきれいで、キャラと楽しくおしゃべりできて、乙女ゲームとはかくあるべしと思います。

なんですけど。

前半がダルい喧嘩バトルもダルい遊びの要素がほとんどダルい二周目以降の共通の作業感が苦痛ですでもご褒美があるのでやらざるを得ない。

やはり番長になるってことは、生半可な気持ちじゃだめってことなんだよ押忍!

 

 

 

FDは後に回す予定だったのだけどたぶん発売日にやってしまう。